長時間のデスクワークで腰まわりがつらくなり、通販の商品ページを開いても、ランバーサポート、リクライニング、ヘッドレストなどの機能が並び、どれを優先すればよいか迷うことがあります。
高い椅子を買った後で、足が床につかない、座面が深い、肘掛けが机に当たると気づく失敗は避けたいところです。
椅子選びでは、座面高、座面奥行き、背もたれ、肘掛け、机との関係、試座・返品条件の6項目を確認します。機能の多さより、自分の体格と机に合わせられるかを基準に選びます。
今の椅子や机の調整で無理なく作業できるなら、買い替えを急ぐ必要はありません。
強い痛みやしびれが続く場合や、日常生活に支障が出ている場合は、椅子だけの問題と決めず、医療機関へ相談してください。
腰がつらい人は、椅子の機能より先に6項目を見る
候補を探すときは、次の6項目を上から確認します。ひとつでも自分の体格や机に合わせられない項目があれば、機能が多くても候補から外す理由になります。
| 確認する項目 | 購入前に見ること |
|---|---|
| 座面高 | 足裏を床か足置きで支えられるか |
| 座面奥行き | 背もたれを使って座っても、膝裏や太もも裏に強く当たらないか |
| 背もたれ | 腰まわりへ無理なく当たり、傾きや位置を変えられるか |
| 肘掛け | 肩を上げずに腕を置けて、机へ近づく邪魔にならないか |
| 机との関係 | 天板や引き出しに太もも・肘掛けが当たらないか |
| 試座・返品条件 | 購入前に実際に座れるか。組み立て・使用後に合わなかった場合の返品条件も確認する |
6項目とは別の前提条件として、座面幅とメーカーが示す耐荷重も確認してください。どちらも調整では補えないため、条件に合わない椅子はこの段階で候補から外します。
厚生労働省の情報機器作業ガイドラインでも、椅子だけではなく、机、キーボード、マウス、ディスプレイの位置をまとめて調整する考え方が示されています。椅子単体のスペック表だけで決めず、普段の机で作業するときの姿勢まで考えることが大切です。
参考:厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
座面高は、まず足裏を基準にする
座面高は、足裏を床か足置きで支えられるかを基準に確認します。
足裏を床か足置きで支えられる高さにする
椅子に深く腰掛けたとき、足裏全体が床につくかを確認します。机に合わせて椅子を上げると足が浮く場合は、足置きで両足を安定させられるかも見てください。
今の椅子で足裏全体が床につく高さに調整し、床から座面の上面までを測ります。この実測値と候補の座面高の調整範囲を比べると、候補を自分に合う高さまで下げられそうか判断する目安になります。
今の椅子を一番低くしても足が浮く場合は、現在の最低座面高では高い可能性があります。候補は、今の椅子より低く調整できるものを見てください。ただし、座面の沈み込みやメーカーごとの測定条件で差が出るため、数値だけで決めず、できれば試座でも確認します。

座面を下げても足が床につかない場合や、机に合わせて座面を上げる必要がある場合は、足置きを使う方法もあります。
▶ 椅子で足が床につかないときの見直し方はこちら
肩が上がるなら、机・肘掛け・手元の位置を分けて見る
肩が上がる場合は、まず肘掛けが高すぎて肩を押し上げていないか確認します。肘掛けに腕を置いたとき肩が上がるなら、肩が自然に下がる位置まで調整します。
肘掛けを調整しても机が高い場合、高さを変えられる机なら、肩を上げずにキーボードとマウスを使える位置まで天板を下げます。
机が固定式で天板を下げられない場合は、肩を上げずにキーボードとマウスを使える高さまで椅子を上げます。そこで足が浮くなら、足置きで足裏を支えます。太ももが天板や引き出しに当たる場合は、それ以上椅子を上げて調整できません。
キーボードとマウスは、背もたれを使ったまま肘を無理に伸ばさず届く距離まで手前へ寄せます。
座面奥行きは、背もたれを使ったときの当たり方を見る
座面奥行きは、背もたれを使って座ったときの膝裏・太もも裏の当たり方で確認します。足裏を床や普段使う足置きで支え、座面の前端が食い込んだり、圧迫感が出たりしないか確かめてください。
座面が膝の近くまであっても、太もも裏や膝裏が座面から浮いていれば、座面の縁が直接当たっている状態とは異なります。隙間の見た目だけで「深すぎる」と決めず、実際に座ったときの当たり方で判断してください。
- 背もたれへ寄ると、座面の前端が膝裏へ強く当たる
- 座面の当たりを避けて浅く座ると、背もたれが使えない
- 座面奥行きを一番短くしても、太もも裏の当たりが気になる
当たりが気になるときは、奥行き調整があれば短くして同じ姿勢で確かめます。それでも膝裏や太もも裏に強く当たるなら、座面奥行きがより短い椅子や、今より短く調整できる椅子を探してください。
座面の深さが合わないときに起きやすい場面と調整方法は、次の記事で確認してください。
▶ 椅子の座面が深いときの影響と対処法はこちら
背もたれと肘掛けは、前へずれず肩が上がらない位置に調整できるか
背もたれと肘掛けは、付いているだけでは判断できません。まず今の椅子と机で、次の3つを確認します。
- 背もたれ:深く座ったとき、腰まわりへ強く押し返さず、寄りかかれる位置に調整できるか
- 肘掛け:腕を置いても肩が上がらず、肘が体から離れすぎないか
- 机との距離:肘掛けが天板へ当たらず、背もたれを使ったままキーボードへ手が届くか
腰を支えるランバーサポートが合わず前へずれて座る状態や、肘掛けが高くて肩が上がる状態では、体を無理なく支えられていません。肘掛けが邪魔になる場合は、上下・前後・角度を変えられるか、必要なら取り外せるかも商品ページで確認してください。
店頭では、足つきと座面・背もたれの当たりを確かめる

店頭で試座できるなら、座面高や肘掛けを実際に調整し、次の順で確かめます。
- 背もたれまで深く腰掛け、座面高を合わせる
- 足裏全体が床につくか、足置きが必要かを見る
- 膝裏や太もも裏に座面の縁が強く当たらないかを見る
- 肘掛けに腕を置き、肩が上がらず、肘が体から離れすぎない位置に調整できるかを見る
- 背もたれへ寄り、腰まわりの当たりと傾きを変えてみる
- 足裏を床などで支えられる場合は、一度立って座り直し、膝裏や太もも裏の当たりと背もたれの使いやすさを確かめる
椅子だけの試座では、自宅の机に肘掛けが当たらないか、キーボードやマウスを使うときに肩が上がらないかまでは分かりません。購入前に、候補の肘掛けが自宅の机の天板下に収まりそうか寸法で確認し、購入後は実際に椅子と机を組み合わせて確かめます。
短い試座で長時間使用の感覚までは分かりません。足が浮く、座面の縁が膝裏に食い込むといった、その場で分かる不一致を見つけるために使います。
足置きが必要で店頭では足を支えられない場合、支えたときの当たり方はその場では確認できません。
通販では、座面高・奥行きの寸法や調整範囲を商品ページで確認します。ただし、腰まわりの当たりや座面の沈み込みは数値だけでは分かりません。必要な寸法が載っていないときは、販売元へ確認してください。
購入前には、組み立て・使用後に合わなかった場合も返品できるか、期限、返送料、梱包の条件まで確認します。返品できない、または条件が不明なまま体格との相性に迷うなら、購入を保留し、試座できる候補を探してください。
高機能でも体格に合わないことがある
私が使っているCAGUUUのアクシスエルゴコアは、ランバーサポートやヘッドレストなど、細かく調整できる点には満足しています。
一方で、小柄な私には座面が深く、長時間座ったときの太もも裏の圧迫感が気になりました。調整機能が多いことと、最低座面高や座面奥行きが自分の体格に合うことは、別々に確認する必要があると感じています。
私の場合は、足置きで足を少し高くすると、座面奥行き自体は変わらないものの、太もも裏の膝に近い部分と座面前方との接触が減りました。

アクシスエルゴコアを候補にする場合は、調整機能の使い勝手と、小柄な体格で座面奥行きが気になった点を、次の2か月使用レビューで確認してください。
▶ アクシスエルゴコアを2か月使った感想と注意点はこちら
今の椅子で太もも裏の当たりが気になる場合は、座面高・奥行き・足置きの確認順を次の記事で確認してください。
▶ 椅子で太もも裏が圧迫されるときの確認順はこちら
まとめ|候補を1脚に絞る前に6項目を確認する
買い替えが必要な場合は、座面高、座面奥行き、背もたれ、肘掛け、机との関係、試座・返品条件の6項目で候補を確認します。価格や機能数だけで決めず、自分の体格と机に合わせられるかを基準にしてください。
候補の椅子が見つかったら、商品ページで寸法と調整範囲を確認してください。試座できる場合は、足つきや座面の当たりなど、今の椅子で気になった点を重点的に確かめます。
今の椅子や机の調整で無理なく作業できるなら、買い替えを急ぐ必要はありません。強い痛みやしびれが続く場合は、椅子選びだけで対処しようとせず、医療機関へ相談してください。

コメント